やまもり

山森(故障派)と森山(特になし)の文集

握手をされた

 

歩いていたら衆院選の候補者の方が駆け寄ってきて握手をされた。わたしは咄嗟に「がんばってください」と小さく声をかけた。雨の中で幾人かのスタッフたちが派手なジャンパーを着て元気、やる気をアピールしている。もらったビラから「安倍政権ストップ」の大きな見出しが眼に入った。もうちょっとゆるくやればいいのにと思った。菊池寛の小説を引用して「リーダーはくじ引きで選べばよい」と書いてあった本のことをわたしは思い出した。あの灰色の本はどこにしまったっけ。


どっしーんと、おもしろいことに疲れるときがある。それでつまらないのが恋しくなる。どっちも長く続くと飽きる。わたしは終わるのが好き。卒業式とか映画を見終るときとか。誰かとのお付き合いが終わるときとか、会社から帰るときとか。面白いやつもエンディングを迎えてくれないとめげる。漫画も単行本が四十冊とか五十冊とか聞くと「ええーっ」と引く。

終わりがあると安心する。それに、「ああー終わったー」という感覚はいいものだと思う。もうちょっと続けたかったとしても。

楽しさも悲しさも終わってナンボだと思ってるわたしは、どっぷりと楽しんだり悲しんだりしたあとに飽きが流れ出すのを待っていたりする。昔の恋愛で、いつも楽しくしてないと気が済まない男の子がいて、わたしがつまらなそうにしていると機嫌を悪くした。そういうのを可愛いと思わなかったので気を使っていた。つまらなくなったり飽きたりするのを許してくれたらと思っていた。