やまもり

山森(故障派)と森山(特になし)の文集

一般論は書きやすくて一人に向けては書きにくい

 

金曜日だイェイ!

 

「コーヒーはよくかき混ぜられなければならない」

 

9月29日。id:masa1751 さんのところの文章を読み始めた。このまえ誕生日だったそう。おめでとうとわたしがコメントしたら「最近見かけなかったじゃん」と返ってきた。ああ、そうそう。自分の文章を読みなおしたら結構いいと思って満足したのと、色気がでて次は何を書こうかな変身しようかななんて考えたら更新頻度が落ちちゃった。いっちょまえに「次」だって。小さなブログにもそんな小さなストーリーがあるなんておもしろいなと思った。あと、ドラクエが楽しくてネットするのを忘れてた。


昨日スターバックスでドリップコーヒーを頼んだら可愛い店員さんに「ジューシーなXXXの豆とYYYなグアテマラの豆があります」と聞かれたので「ガテマラで」と伝えた。「グアテマラで」よりも「ガテマラ」の方が言いやすいと咄嗟に判断して声に出した。コーヒーでジューシーとかフルーティーとかいうのは酸っぱいやつのはずだ。苦いのがわたしは好き。グアテマラの豆はさっぱりしていておいしかった。

 


「最近みかけなかったじゃん」と言われたのはうれしかった。「うん、まあね」。masa1751さんの中では一応わたしは登場人物になってるんだなと思った。やりとりあったもんね。匿名のその他大勢やお天気の話をするのに比べると一人へ話すのは苦労がある。一般論とか原則とか自分の日記を書くのと比べて大変だ(どうというわけではないが)。一人へ向けて話したり書いたりするのはね。クラスメイトとか仕事の同僚とかそういう仲間じゃない見知らぬ一人へは特に。

 

はてなスターはてなブックマークは優しくできている。見知らぬ人へ一対一でなにかをコメントするのはぶっきらぼうなので、そのあたりを上手くかわしてやりとりできるようになってる。

 

それに、見知らぬ人に一対一で話しかけるなんてのは普通はあまり要請されたり必要になったりしない。ナンパくらいかな。ん?ええと、つまり、匿名の大勢にわたしはなりやすく、匿名の大勢に訴えることにわたしたちは慣れてくるのだけど、そのときに一人を感じさせてくれるのはうれしい!

 

「最近みかけなかった」ってそっちだってそんなに更新頻度高くないじゃん!どうせいっちゅうんじゃまったく。「コーヒーは混ぜられなければならない」から読み始めて
「浅い海の底に沈めた」まで読み終わった。小さなブログの小さなストーリーの「次」を考えていたわたしはちょっぴり癒された。早く冬がこないかなと思った。まだ昨日はむしっとしてコーヒーのおいしい季節じゃなくてトールを飲みきるのに苦労したんだ。

 

わたしはビールやコーヒーのことが書いてあるのはすごくいいと思った。

 

一般論や標語が天気の代わりに優しく書かれたり読まれたりする中で(「いい天気ね」の代わりに挨拶みたいにそれらが書かれる中で)、飲みものの話やらの個人的な文章はぶっきらぼうに聞こえる。わたしのいやらしい優しさが引っ込んでいった。masa1751 さんはきっと文章ののどごしを考えているに違いない。あるいは、のどごしのいい文章が身体に染みついているんだろう。いい感じだと思った。のどごし=ぶっきらぼうの感じでわたしは書いている。

 

論や標語はいやらしく優しいがウザいお節介でもある。わたしにはどちらかというと論が染みついている。ようは「嫌いが好き」なの。だから、優しくないぶっきらぼうな文章は読んでいてまぶしい。読者の同意を必要としてなくてまぶしい。読み手の「うんうん、そうだよね」「わかるわ」を必要としてそれと合体して初めて完成する論や標語の文章の多くは月のようなもの。誰かに読んでもらって「うんうん」と照らされるのを待ってる。

簡単に言い換えると「かまってちゃんじゃない文章」の良さ。放っとける感じがいい。
月明かりもいいけどね。わたしはどっちも好き。あ、はてなスターだから星灯りか。

 

わたしは以前にも「あなたの文章は残酷にも読者を必要としていない」と書いた。また同じことを書いちゃった。そうならないように「次はなにを書こうかな」と考えたり変身とか書いていたのに。まあ、いっか。

 


 

あなたの好きなものはなに? 好きを話した方が楽しいに決まってる。

 

「私は「これが嫌いだ」って話すのが好きよ」

それでもいい?私が聞くと彼はしぶしぶ承諾した。それでもまし、それでいいと言った。私は楽しくなって「まあまあ、飲んで酔っ払いなさいな」と彼にビールを注いであげた。「おつかれさま」。

 

「冷たいビールの季節も終わったね」

「冬もおでんにビールだよ」

そう言って彼は咽喉を鳴らした。こだわりがあるんだかなんでもいいのだかわからないと思った。アミちゃんが遅れてやってきて「やっと一週間が終わった。死ぬかと思った」と言ってバッグをおろした。もう一度おつかれさまと三人で乾杯。自分の体力がないのか廻りが頑健過ぎるのかと彼女はこぼした。仕事がきついみたい。

 

「落ち着きそう?」

「いやーわかんない。もう無理かもしらん。とうとう辞めどきかも」
「むしろここまで続いたのを褒めて」

 

会社がまともで自分がまともじゃないのか、その逆かと彼女は自問した。ねえ、わかんないんだよ。なんでも。さっきさ、こいつが「何かが嫌いじゃなくて好きな話しようよ」とか言っててさ。

 

「あのねえ。何が好きか分かったら苦労しないんだよ」
「今の仕事向いてないって思うけど、じゃあ何が向いてるって全然見当つかないもん」

 

そうだそうだ。彼は首をひっこめてばつの悪そうにしてる。両手に花のくせにとひじで突いて三人で笑った。夏でも冬でもビールが好きみたいに仕事はいかない。生活かかってるんだから。グラスのふちを拭いてアミが「今日のビールすごくおいしい」と言った。「頑張ったからだよ」と私は返した。あ、うーん、だからって頑張れってことじゃないよ。「モッちゃんあんまり飲んでないでしょ二人で乾杯しよう」。

私と彼女で再び乾杯した。

 

「酔ってるよ。仕事好きの人たちって会社や自分に酔ってる。こっちはシラフだっつうのに」

彼女は続ける。

「仕事できるマンはアル中。あれ、仕事を絶ったら発作が起きるね」

 

できる自分をガソリンにして頑張れちゃう人いるよねと私は相槌をうった。私より飲んでるはずのマサくんは平気な顔をしてメニューを広げている。なんだか憎らしかった。こっちはもう酔っ払っちゃって飲めなくなってるのに、まだ美味しそうにグビグビやっている。

 


 


更新頻度かあ。そのときそのときで適当な更新頻度がみつかるでしょ。id:letofo さんの今日の文章に「一週間くらいブログを書かないでみた」って書いてあった。それでも世界は終わらない、グレーとも。わたしは読みながらキリンジが「永遠と刹那のカフェオレ」と歌っていたのを思い出した。それでコーヒーで二人の文章がわたしの中で繋がったのだった。


なんかバシっとばっちりな文章がオッケーと共に書けたら終わるだろうから、もしくは大大大NGで「はいもう終わりー卒業ー」ってなったら終わるだろうから、それまではねちっこく更新するんだろうなあわたし。あれ?これも一般論か?一般論は酔いやすい。大勢が、誰でもそれをグビグビ飲めちゃうから人混み酔いってやつだと思うんだ。