やまもり

山森(故障派)と森山(特になし)の文集

何も残さなかった自信がある

 

トイザラスでドラクエPS4を買いました。子供でいたーいずっとほんじゃハッピー、大好きなおもちゃにかっこまれてー。わたしはトイザラスキッーズ。

 

わたしはトイザラスキッズ!

ほらレゴもあるよ。すごいね。

いいねレゴ。トイザラス来たの何年ぶりだろ。ねえ、子供でいたーいずっとほにゃヘッポー。

 

そんな歌あったね。

 

ずっとほにゃの部分が曖昧だったから、彼氏に「そこはこういう歌詞だよ」って教えてもらいたかったのだけど知らないみたい。まあいっか。もし思い出したら教えたがりでいて。

店をぐるっと廻って、シルバニアファミリーの棚でちょっと立ち止まって「全部集めたくなっちゃうね」なんて話して値札をみたら、きっついなーと思った。一つが八百円とか二千円とか大きなのは一万円以上もする。もう少し歩くとテレビゲームのコーナーだった。

テレビゲームコーナーでドラクエを探すと見つからなかった。3DS版はあったのだけど。きっと予約しないと買えないだろうなって期待してなかった(期待していた?)から、いいか、買えなくても。

彼が「店員さんに聞こう」と言った。

わたしは聞きたくなかった。PS4のソフト棚なんてそんなに広くないし、見たよと思った。聞くのを恥ずかしがってると思われるのが癪だったので、あたりを見渡したら店員さんがすぐ近くにいて、わたしは「ちぇっ」って面倒くさくなった。

 

「あの、ドラクエイレブンってありますか? PS4版です」

 

「ありますよ、こちらです」

 

棚の一番上にあった。嘘みたいと思った。

「あの、それと、プレステ4の本体って」

 

「こちらです。イチテラと五百ギガがありますが、イチテラは申し込みとなります」

 

「すみません、ありがとうございます」

 

わたしは口の端をキュッとあげて、さようならを込めて店員さんに笑みを送った。うわー買うんだ。半分くらい冗談で来たのに。ドラクエのケースとPS4本体購入の紙をひょいひょいと取って、彼に「ほら」と見せた。

 

「あなたが欲しいって言ったんだからね」

「違うでしょ、XXXちゃんでしょ」

「違うよ。別にそんなにやりたくないもの」

「じゃあ買わない?」

ハンドスピナーみたいなのも売ってたから買う」

 

軽口を教え合いながらレジに進んで、まずあなたが配線とか初期設定をしてよと頼んで、とてもいい気分だった。見てた?店員さんとわたしの滑らかな会話。声をかけるところ。ちゃんとしてたでしょ。雨が降るみたいに自然だったでしょう。店員さんに抜け目なく伝えてから、さよならを告げて去るまでをわたしはとってもよくできた。あの店員さんにわたしの印象を何も残さないのをよくできた。