やまもり

山森(故障派)と森山(特になし)の文集

ポリグロット物語_1

あーっと、これは日本語でなんだっけ? バイリンガルはつらいのだ。ええと、これは言語でなんだっけ? になっちゃったらもっとつらい! そのつらさは経験した人にしかわからなーい! 言語化能力とか語彙の多寡の問題じゃないの。言語のどこを探してもその概念が見つからないってことがあるんだよ(わからないだろうけど!)。だからもう、お喋りたちが憎くて憎くてたまらないころがあったよ。「わかりやすく、相手に伝わるように、言語化する、思いやりで、わかりあおう」とか真顔で語ってる人たちをぶん殴りたかったね! お前らのそのなんでも言語化できるという確信はどこからやってきて何が保証してくれているんだよ! 「どんな概念でも言語化できる」のソースをだせーーー! はあ、はあ、はあ。私たちの気も知らないで……。

私たちポリグロット、いいや、異言語リミテッドは息をひそめて君らモノリンガルのすぐそばにいる。 君たちの前にいる。こんな状況が数十年、百年近くか、もっと前からかもしれないが、 続いている。モノリンガルたちの楽しそうなお喋りを聴きながら、モノリンガルとは別の概念で考えながら、ずっとずっと、息をひそめている。リミテッドたちのいる場所は地獄だよ。あなたたちにつたわるげんごがないのだから。でも、望んでしまった地獄なんだ。だから、憎むなら蔑むなら己の望みへそうするしかない。そうでしょう? でもとにかく私は昔すごく怒っていたんだ! 今はーー!怒ってないけど!