やまもり

山森(故障派)と森山(特になし)の文集

未練と戦果

「先輩とつきあったらどんな楽しいことがある?」。キスのあとで彼女が聞いた。別に何もない。彼女には恋人がいたから僕が奪う側だったけど、その時は分からなかった。以前から恋人に隠れてキスしてたから彼女の方から来てくれると思っていたのだけど、しまった。僕とつきあうメリット。今の相手と別れて僕を選ぶに足るなんか。あー、これはエッチのさなかに考えることじゃないな。言外の断りかも。つきあうのってメリットデメリットじゃないから。

「二年前に先輩に彼女がいなかったら、つきあってたよ」

「そっか」

「別れる理由ないんです。相手、優しいから」

「うんうん。ありがとう」

彼女に廻した腕を解いて向き直して答えた。撤退戦だ。多少の被害は仕方ない、未練と戦果を比べてひたいにチュー。ああー、そっちが言ったんだって。