やまもり

山森(故障派)と森山(特になし)の文集

雨の日といえば、1メートルはなれる犬

埋め込んでみた。ヴァンモリソンの「Moondance」は雨の日に聴きたくなる歌。

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学生のころ、サークルの友人が「お酒と音楽があればいい」と酔っぱらいながら言っていて、彼女はとても可愛かった。切れ長なのに笑みのためにあるような目と少しそばかすがのった白い肌が、フィンランドとかそっちの方のモンゴル人とゲルマン人の良いとこどりの顔をしていて、もしわたしがプロデューサーだったらアイドルとしてデビューさせてみたかった。背の低い彼女は子供のように無垢な性格で、わたしはよく「ウチの子になってほしい」、「知らない人についていったらダメよ」と冗談を伝えて、そのくらいかわいかった。彼女がクラブで「お酒と音楽があればいい」と誰にも向けないで、でも独り言ではなくはっきりと伝えたのを覚えている。踊ってる彼女は楽しそうだった。


先日、実家に帰って犬と遊んだ。
わたしが柵に近づくとしっぽを振って寄ってきたのだが、わたしが柵の中に入ると1メートル程の距離をあけてボールを噛んでいる。ふさふさの毛をわしゃわしゃしたいので彼に寄っていくとボールを咥えて逃げる。おいでと声をかけてもこっちに来ない。ボールを投げて遊んであげるよと言っているのに全然わたしの方によってこない。なんやねん。どうしてほしいんだよおまえは。なんだこの微妙な距離は。追いかけると逃げるし追いかけないとわたしから1メートル離れてボールを噛んだり咥えたりしている。

ブラッシングしてあげるよと櫛をみせると寄ってきたので「こんにゃろう。わたしに甘えろ甘えさせろ」と胴に腕を回して捕まえようとしたがアホ犬はすり抜けて庭の隅へ走って行った。すりぬけるときにわたしの手に彼のちんちんがあたった。そしてまた1メートル。躾けを間違ったわたしは完全になめられている。帰宅してからもアホ犬ともっと遊びたかったわしゃわしゃしたかったと悔やみ続けていると、わたしの負けだと思った。アホ犬は自分をかわいいと知ってやがる。かわいいのは天才だから敵わない。