読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

やまもり

山森(故障派)と森山(特になし)の文集

高低差で耳がキーン

出会いは、わたしとは違うものと出会うことだと決めつけている。違うものと出会えばわからないのは当然で、それは読めないものとして現れる。違うのだから。友人との会話は「わかるー」が多くて、ようするにわたしたちが同じかたちをしている事実の確認をしていて、それは鏡に映る自分を見るようなことで、わたしはわたしの顔なんか見飽きてる。

優しい人は恐いんだ。こんなに優しい俺を傷つけたお前は……、いつも温和な私を怒らせたあなたは……、そんな風な落差でわたしは大悪党になった。わたしは自分が大悪党なのを忘れてしまうほどの悪人なので、それを思い出せない。ただ、しつこくつきまとわれた。彼は執念深く、飽きずに、執拗に、まじめに、「優しい俺を傷つけたおまえ」を、わたしに刻みつけようとしてた。忘れることは許さない。お前は俺を傷つけた悪人なんだぞ。わたしは彼の「忘れるな悪人め」という言葉を聞いて、悪人らしく忘れてしまった。馬鹿馬鹿しい。高低差で耳がキーンとなる小賢しい話。わたしは鏡じゃないのだから「優しいあなたを怒らせたわたしは悪人」なんて律儀に映さないっての。馬鹿なこと書いていたら頭が痛くなってきたので、今日はこの辺でやめとく。