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やまもり

山森(故障派)と森山(特になし)の文集

耳を閉じる

耳は閉じることができない。僕と同じようないつも聞かされる側の人たちへ。もっと優しい耳を持っている人たちのことを思いたい。がなり声をあげて入ってくる父や母の声なんて聞かなくていい。文章も同じ。大きな声の誰かの話なんて聞かなくていい。大きな声は、おまえの耳は聞こえないだろうと考えている。話をよく聞きなさいなんて守ってる場合じゃない。守っている僕たちは、もっと小さな声を待っている。自分にも聞こえないくらいの小さな声で話すこと。ルールではない文章の役目は小ささだと言おう。

少しでもうるさいと感じたらすぐに耳を閉じること。自分に聞かせる自分の声も小さくすること。音のない場所を求めるのではなくて、まるで聞こえないような音だけに耳を傾ける。言い方や書き方を柔らかくなんて一番たちが悪くて、そんな、がなり声への思いやりや包装はよく頭の回る悪党に任せておけばいい。僕たちやあなたが悪党になるときは、それがお似合いだ。