やまもり

山森(故障派)と森山(特になし)の文集

名をつけよう

名をつけよう。そんな機会はそうあるもんじゃないぞ。


「ある作家は名前をつければそのキャラクターが動き出すと言っていたよ」
 
ふうん、そうねえ。でも、名前をつけるってなんか恥ずかしい。親でもないのに名前をつけるなんて。幼いというか、ままごとみたいというか。
 
「じゃあ神さまは中二病かもね」
 
そこまで文字でやりとり。彼に電話をかけた。
 
「いや、だからさあ。すっごい恥ずかしいんだよ」
「もしもし、なにが?」
「だから、あるでしょ。布団の中でもがきたくなる恥ずかしさ」
既に布団の中でバタバタやってるのであった。
 
「恋愛小説を書きたいんでしょ?」
 
「はい」
 
「それなら、名前をつけないと」
「いちばん恥ずかしいやつを書きなよ」
「そうすれば、次に書くときに恥ずかしさが薄れるんじゃない」
「もう電車くるから、またラインで」
 
他人ごとだと思いやがって。おまえの名前で書いてやる。